VESPA50S ビンテージのエンジン修理 [VESPA修理]
今回はベスパ50Sのクランクシール交換をレポートします。
キャブレターを何度オーバーホールしても調子が出ない?
スピードも30km位しか出ないし エンジンのかかりも悪い?
等々ご不満な様子のオーナー様からピカピカのイエローの50Sをお預かりしました
試乗させていただくと、確かにこれでは乗れたものではありません位、ぜっ不調
一通り全部見させて頂く旨ご了解頂いて、探求に入ります。
最初に始めたのはオーナー様が自身でやられたというキャブの再オーバーホール
内は綺麗に洗われてましたがジェットニードルスクリュウーの値等が無茶苦茶で
これでは、、、、と調整しなおして再度試乗しましたが全然ダメ???
マフラーの排気口に手をかざしてみると、排気圧が弱弱しく音にもパンチが無い
そこで当店の試験用ノーマルマフラーに付け変えると空ぶかし時の吹け上がりや
音もパンパンと歯切れのよい元気な排気音に!
これでOKかなと試乗です、 スピードも出るようになり20分程乗りまわしてたら
徐々に調子が悪くなって、信号待ちでエンジンが止まってしまう始末??
こんな状態でオーナー様にお渡しできません。 やはりエンジン下ろすようです。
このベスパは元ユーザー様が何年も乗らずに放置していたものを今のオーナー様が
譲り受け綺麗に再塗装したものらしい。 な~るほどそれならゴム製のシール類等
とりわけクランクシャフトのシールが駄目になってしまってる可能性が高い、、、。
そのあたりがかなりアヤシイ、、、、。
ベスパ50Sのエンジンは2サイクル、クランクケースリードバルブという構造で
キャブレターから吸い込んだ混合気をクランクケースから取りこんでクランクの
回転を利用してシリンダーの内に押し込む、すなわちクランクケースがもう一つの
シリンダーでクランクがもう一つのピストンの役目をするような構造なのだ。
回転するクランクシャフトとそれを納めている部屋すなわちクランクケースとのすき間を
シーリングしているゴムリング、それがクランクシールだ。
これが摩耗や劣化で駄目になるとクランク室に入った混合気が外に漏れたり逆に
外から空気やベスパの場合ミッションオイルを吸い込んだり、、、、、、、。
このシールは左右に有るのですが50Sのエンジンはフライホイール側は
フライホイールを外せば見えますが反対側はトランスミッションと一体のケースに
なっているのでクランクケースを分割(すなわち全バラシ)しないと確認できない。
さきほど可能性が高いと言ったのはそのためです。
これはフライホイールと逆側(クラッチ側)です、シールは手の部分クランクギヤの奥
ベアリングのさらに奥 クランク室の内側から打ち込まれています。
クランク単体の状態で見ますと左側の大きい方の黒い輪っかがミッション側のシール
右奥に見えるのがフライホイール側のシール。 新品を合わせている所で
左奥に転がっているのが付いていた駄目なシール、 ガバガバでした!
やはりここが原因で混合気が正常にシリンダーに送られていなかったんですね。
マフラーのスンズマリが原因でなったか?シールの劣化が先か不明ですが
両方駄目になっていたのは事実です。
ケースを洗浄後新しいクランクシールを はめ込んだ所です左がミッション室側
右がフライホイールを外した時に見える小さい方のシールです。
この写真でクランク室とミッションケースがシールを介して同ケース内に有るのが
よくわかると思います。
これはこのエンジンの電装系の心臓部! フライホイールの内側にあるコイルと
ポイント一式です。 外して解ったのですが何と結線カプラ手前でハーネスの被服が
ネチネチに溶けてショート寸前!かなりヤバイ状態です!!
ついでですからコイルから結線カプラまでを作り換えました。黒い束の方が外したダメな
方です、 最終型に近い個体に一時期このようなダメ材料が使われたみたいです。
ケースにクランクシャフト・ミッション・ピストン・シリンダー・クラッチ・電装を組み込んで
車体に組込みワイヤー類を組んでいきます。
ギヤオイルを規定量入れたら試乗しながらワイヤー類を含めて細かな調整で完成です。
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ピアジオVESPA PX200FLのミッション、トラブルでカツカツ音! [VESPA修理]
走行4750Km 新車からお乗りで今まで大きなトラブルは無かったそうです。
当店にて何度かメンテナンスをさせて頂いておりますが今回、少し前から4速に入れると異音がするので診てもらいたい
とのご依頼をいただきました。
なるほど乗ってみると3速までは何ともないが4速に入れるとエンジン部からカツカツカツ、、、、、?
タイヤの回転と連動してカツカツ音もついてくる、、、。明らかに駆動系のトラブルですねー
エンジン部を見てもオイルにじみがひどくてどこから漏れているのか解らない状態。
もしやミッションオイルが全部出てしまって空なのか? と疑ってドレンプラグを抜くとギラギラと金属粉混じりのオイル
が出てきました。
とりあえず規定量位は入っていたみたいですね。 しかし このハンパじゃない位の金属粉が何より証名、
ギヤー回りの破損が確定的です。
まずエンジン、クランクケース回りの汚れを落としてから分解作業に入ります。
ミッシヨンケースの底から破損したギヤーの一部が出てきました。
奥に見えるのがクランクシャフトギヤーからの回転をトランスミッション側に伝えるプライマリー側のギヤ。
クランクが回っているとクラッチで遮断されない限り常に回転している。クラッチ側の一番大きなギヤーは外側ギヤーと
内側ハブの間にスプリングが組み込まれていて干渉的な役割をする構造になっている為このパーツ全体が
スプリングギヤーASYという名称になってるみたい。
4段目の4速ギヤーが欠けているのが見えます。 破片で他の部分にもキズが、、、、、、。
それとかみ合うドライブシャフト側のギヤーもダメージが無いか入念にチェックが必要。
4速ギヤーにバリが発生しています。
あれだけカツカツと音出してましたからねー、 再使用するか どうかはオーナー様と相談ですね、、、。
欠けた側のギヤーアッシーが高額ですしね、、、、。
ベアリング類にはダメージはみられず再使用できそうです。
腰上部分も綺麗にしてから、各オイルシール及びパッキン類を新しくして組みつけに入ります。
今回交換したパーツ類です。
試乗しながらワイヤー類の調整と最終チェックです。
これからも長~いお付き合いをしてあげて下さい。
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vespa LX50の事故修理 [VESPA修理]
気に入って大事にお乗りいただいているVESPA-LX
さっき車にぶつけられまして、、、、 と悲しそうに自走でご来店!
細い道路を直進中に左路地から一時不停止で飛びだされて左前側をぶつけられたらしく
幸いオーナー様も30km位の低速だった為大事には至らず相手車のバンパーとVESPAの
フロントフェンダーをかすめ左レッグ部分が、グッシャリ、、、、、。
綺麗なオーロラブルーの車体に痛々しいダメージ しかしここでショックを吸収してくれた為
ご本人には怪我は無く助かった。
しかし大事にしてる愛車が傷つくのは心に大きなキズが付きます。 そのお気持ちは痛いほど
よーくわかります。 なんとかしてあげないとね
お互い対物保険で賠償面では問題ないんですが、、、ちゃんと元の形に直さなければ、、、。
けっこう かわいそうでしょ~。
vespaはモノコックスチールボディー すなわち他のスクーターの様にパイプフレームに
プラスチックのカバーが付いているのではなくボディー自体がフレームシャシー、一体型で
乗用車と同じ構造、つまりカバーだけ変えればok ってなわけにはいかないのです。
これがモノコックボディーの中身です。 パイプフレームより箱型のシャシーゆえのガッチリした
骨組みがvespaの乗り味なんですよね。 だから逆に軸がずれる様な曲がり方をすれば
復元するのが容易ではないんです。
幸いフェンダーはこすってはいるもののフロントフォークやシャシーのネック部分には当たっては
おらずダメージも無い様で試乗しても変な挙動は全くなかったです。
これならグッシヤリへこんだ部分をちゃんと修復出来れば元どうり治りますよーとオーナー様に
お伝えしましたら、修理を宜しくお願いします!との了解を頂いたので板金塗装修理に、、、、、。
レッグ部分とアンダーパネルの合わせ部のスポット溶接も剥離してしまってるので、焼いたり、
溶接したりと大がかりになり、全塗装になるので、ほぼホワイトボディーに近い状態にしなくては
ならず全バラシになります。
どの道フロントフェンダーを脱着するにも、ブレーキホースやフロントフォーク自体抜いて
しまわないと外せない構造ですけど、、、、、、。
丁度ついでにステムのレースやベアリングの点検も行えます 距離も13.000kmいいとこですね!
板金屋さんから綺麗に上がってきました 新車のようです!
パックリと口を開けていたスポット溶接部分も文句無い仕上がりです
さっそくバラした物を組み込んで行きます。
ブレーキホース・メーターヤイヤーなど少々通しずらいです。
ハンドル回り及びインナーカバー類の組込み、、、、面を合わせながら慎重に。
最後に3か所、ボディー所定の場所にデカールをこれまた慎重に!(張替はききません)
貼り付けて完成でーす!!
これならオーナー様もますます愛着が湧くでしょうね 長ーく可愛がって下さいね。
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